日頃からお世話になっている先生や講師にレッスン代をお渡しするとき、「どんな封筒を使うべきか」「表書きはどのように書いたらいいのか」など、マナーや書き方について気になる方も多いでしょう。そこで本記事では、レッスン代を渡すときにふさわしい封筒の選び方と具体的な書き方を、失礼がないように網羅的に解説します。ちょっとした気配りやマナーを押さえておくと、先生への感謝や敬意がしっかりと伝わり、好印象を持っていただけます。ぜひ最後までお読みいただき、実践してみてください。
レッスン代を渡す封筒を選ぶときの基本ポイント
和封筒か洋封筒か
レッスン代を渡すときに利用する封筒には、和封筒（横長の長形封筒や、少し縦型の封筒）と洋封筒（横封じの封筒）があります。日本ではお金を包む際に和封筒が使われることが多く、相手が日本人の先生であれば、和封筒の方がより正式感を演出できます。一方、洋封筒はカジュアルな印象を与えるため、親しい間柄の先生や、カジュアルな場面でのやり取りであれば問題ありません。
ただ、レッスンという場面では伝統的な分野（書道、茶道、日本舞踊など）の場合は和封筒を選ぶほうが無難です。楽器演奏（ピアノやギターなど）の先生、英会話講師やスポーツのコーチなどに渡す場合は、洋封筒でもそこまで違和感はないでしょう。しかし、和封筒と洋封筒のどちらが良いか迷った場合は、よりフォーマルに見える和封筒を選ぶのがおすすめです。
白封筒が基本
封筒は、白い無地が最もスタンダードで、かつ失礼のない選択です。慶弔用の華やかなのし袋ではなく、シンプルな白い封筒を選びましょう。色付きやキャラクター入りの封筒などは、先生との関係性によっては適当でない場合もありますので注意が必要です。おしゃれな封筒を使いたい気持ちもわかりますが、まずは礼儀正しい印象を与えるために、白や淡い色味のシンプルな封筒を選ぶようにしましょう。
サイズはお札が折れずに入るものを
封筒のサイズも重要です。レッスン代が入る金額分の紙幣を折らずに入れられるサイズであれば、見た目もスマートです。もしお札を入れる際にどうしても折り畳まないといけないサイズの封筒しかない場合は、なるべく綺麗に折りたたみ、シワにならないように配慮しましょう。
レッスン代封筒の具体的な書き方
レッスン代を渡すとき、封筒の表面にはどのように書けばいいのか迷う方も多いかと思います。ここでは、表書き・裏書き、それぞれの注意点と書き方を解説します。
表面（宛名・表書き）の書き方
- 宛名（先生の名前）の書き方
通常は封筒の中央に縦書きで先生の名前を書きます。敬称として「先生」や「様」を付けてもよいですが、相手が「先生」の立場であれば「○○先生」という書き方がよく使われます。
例：〇〇 先生縦書きが基本ではありますが、洋封筒や横書きが自然な場合には、横書きでも問題ありません。ただし、通常のビジネスレターとは異なるシーンなので、できれば縦書きを選ぶとよりフォーマルになります。
- 表書き（タイトル）
一般的には「レッスン代」「お礼」「謝礼」など、何のお金なのかが分かるように簡単に書いておくと丁寧です。封筒の上部に小さめの文字で書いておきましょう。
例：レッスン代 ○○先生あるいは、「レッスン料」と書いても問題ありません。どちらかというと「代」は日常的な響きがあり、「料」は少しフォーマルな印象になります。
裏面の書き方
- 差出人（自分の名前）の書き方
封筒の裏面下部に自分の名前を書きましょう。ここでは、フルネームを縦書きすることが基本です。もし電話番号や住所を加えたい場合は、名前より小さめに書くと見栄えが良くなります。ただし、レッスン代を渡すシーンでは、そこまで正式な情報が必要でない場合がほとんどなので、シンプルにフルネームだけで問題ありません。 - 金額を明記すべきか？
一般的なマナーとして、封筒の表や裏に金額を直接書くことは少なく、のし袋のように金額を記す欄はありません。あえて金額を書きたい場合は、控えのメモ用紙などに「○○円也」と書き、封筒の中に同封しておく方法もあります。しかし、必須ではないため、渡す相手の文化や慣習、お付き合いの度合いによって判断しましょう。もし先生や事務の方から、金額が必要だと指定されていない限りは、記入しなくても失礼にはなりません。 - メッセージを添えると好印象
裏面や中に一筆箋などを入れて一言メッセージを添えると、気遣いや感謝の気持ちが伝わります。
例：いつも丁寧にご指導いただきありがとうございます。 今後ともよろしくお願いいたします。短い文章でも心のこもった言葉があると、先生も喜んでくださることでしょう。
レッスンの種類別・封筒の選び方と文例
レッスンといっても、習い事の内容や指導してくださる先生との関係性はさまざま。ここでは、よくあるレッスンシーンごとに、封筒や表書きの選び方のポイントを紹介します。
音楽レッスンの場合
ピアノやバイオリン、ギターなどの音楽レッスンで先生にレッスン料を渡す場合、長くお世話になっている先生には、和封筒か落ち着いたデザインの洋封筒を使うと良いでしょう。表書きは「レッスン料」または「レッスン代」、宛名は「○○先生」とするのがベストです。
音楽講師は海外留学経験をもつ方も少なくありませんが、基本は日本のマナーを踏襲すると間違いありません。メッセージカードを同封するときは、できるだけ丁寧な日本語で書きましょう。
英会話レッスン・スポーツコーチの場合
英会話の先生やスポーツコーチ（テニス・ゴルフ・ヨガなど）の場合は、比較的カジュアルな関係であることも多いものの、お金を渡す場面ではフォーマル感を大切にします。特にスポーツ指導のコーチの場合、年齢や立場に関係なく「コーチ」と呼ぶことが多いですが、日本語の封筒を使う場合は「○○コーチ」もしくは「○○先生」と記載し、裏面に自分の名前を記します。
海外出身の先生なら、横書きの封筒で英語表記（Mr./Ms. ○○）にするのも手ですが、日本国内の通常レッスンであれば、やはり日本語のマナー通りに書いたほうが無難です。
伝統芸能・文化系レッスン（茶道・華道・書道など）
茶道や華道、書道、日本舞踊など、日本の伝統文化に関わるレッスンで先生にお金を渡す場合は、できるだけ正式な和封筒を選ぶと良いでしょう。無地の白封筒に、上部に「御礼」「お礼」などと記載して、中央に「○○先生」、裏に自分の名前、というオーソドックスな形が好まれます。
このような伝統文化の場面では、特に「渡し方」にも注意が必要です。封筒を相手に向けて両手で差し出し、「本日もよろしくお願いいたします」などと一言添えるのがマナーです。こうした作法が自然にできると、先生の印象も大きく変わります。
封筒に入れるお金の扱い方と注意点
レッスン代として封筒に入れるお金の扱い方についても、気を配るべきポイントがあります。
新札を用意する必要はある？
結婚式などのご祝儀では新札を用意するのが礼儀とされていますが、レッスン代の場合はそこまで厳格ではありません。ただし、あまりにも汚れが目立つお札やクシャクシャになったお札は避けたほうが良いでしょう。できれば比較的きれいなお札を用意する、少なくともひどい折れや汚れがあるものは使わない、程度を意識しておきましょう。
お札の向き
のし袋などではよく言われるように、お札の向きも気をつけると丁寧な印象を与えられます。封筒を開いたときに人物の顔が上向きになるようにそろえると美しく見えます。しかし、レッスン代の封筒では、そこまで細かく気にする必要がない場合もあります。気遣いとしてやっておくと良いというレベルですが、難しく感じるようであれば、それほど神経質になる必要はありません。
レッスン代の相場や渡すタイミング
封筒の選び方・書き方と併せて、そもそもレッスン代の相場や渡すタイミングも気になる方は多いでしょう。以下は一般的な目安です。
- 相場
- 音楽レッスン、英会話レッスンなどは、月謝や回数制で金額が決まっているケースが多いので、その指定料金を準備すれば問題ありません。
- 直接契約している個人レッスンの場合は、1時間あたり3,000〜10,000円前後と、先生によってさまざまです。相手の提示するレッスン料に合わせるのが基本です。
- タイミング
- 月謝の場合は月初にまとめて支払う、もしくはレッスンが始まる前に支払うケースが一般的です。
- その日のレッスンごとにお支払いする場合は、レッスン後でも良いですが、多くの先生は「先に受け取りたい」という方もいます。先生の方針に従うか、事前に確認しましょう。
- 特別講座や集中講座、ワークショップなどの場合は、参加前に申し込みと同時に振り込む場合もあれば、当日現金支払いもあります。支払い方法やタイミングは先生や教室ごとに異なるため、指定があればそれに従いましょう。
レッスン代を渡すときに添えたいひと言例
最後に、封筒をお渡しする際のひと言や、一筆箋に書くメッセージ例を紹介します。ちょっとした言葉を添えるだけでも、相手に好印象を与えることができます。
- 「本日もよろしくお願いいたします。いつも丁寧にご指導ありがとうございます。」
- 「先生のレッスンのおかげで、上達を実感しています。引き続きよろしくお願いいたします。」
- 「ご指導ありがとうございます。今後ともご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。」
こうした簡潔かつ丁寧な言葉で十分です。あまり長いメッセージは、相手が読み切るのに時間を要するので、相手との関係性に応じた長さを意識しましょう。
7. まとめ
レッスン代を渡すときの封筒の選び方と書き方について、ポイントを整理してみると以下の通りです。
- 封筒は白の無地が基本
和封筒がよりフォーマルですが、洋封筒でも大きな問題はありません。迷ったらシンプルで上質な和封筒を選ぶのがおすすめです。 - 表書きは「レッスン料」「レッスン代」などと記載
先生の名前は中央に、縦書きで「○○先生」と書きましょう。洋封筒であれば横書きも可です。 - 裏面には差出人名のみでOK
必要に応じて住所や電話番号を小さく添えてもよいですが、基本は名前だけで構いません。金額を記す必要はありませんが、必要に応じてメモを同封してもよいでしょう。 - レッスンの種類や先生との関係性に応じて柔軟に対応する
音楽・スポーツ・語学など、レッスン内容や先生によっても渡し方やタイミングは違います。特に茶道・華道などの日本の伝統芸能では、より格式を意識すると好印象です。 - お金はなるべくきれいな状態で用意
新札が必須ではありませんが、できるだけ折り目や汚れの少ないお札を準備することで、相手への敬意が伝わります。 - 一言メッセージを添えるとより好印象
「本日もよろしくお願いいたします」などの簡潔で丁寧な言葉を添えましょう。感謝の気持ちを一緒に伝えると、相手の印象もぐっと良くなります。
レッスン代の封筒マナーは、結婚式や法事ほど厳密なルールはありませんが、それでも一定の礼儀を守っておくと「信頼できる」「誠実な」生徒だと認識してもらいやすくなります。
また、封筒だけでなく、渡し方も大切です。先生が受け取りやすいよう封筒の文字が正面に来るようにして両手で差し出し、目を見て挨拶するのが基本。あまり口数は多くなくても、丁寧な態度と姿勢が伝われば、それだけで相手への感謝の気持ちがきちんと届くはずです。
ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、次回のレッスン代のお渡しで実践してみてください。少しの気遣いで、先生とより良い信頼関係を築けること間違いありません。
